*注:手塚お誕生日ネタ二年生バージョン二回目設定です。
まずは前編に目を通して下さいませ。
そもそも、男性同士でこういう行為に及ぶ理由が、手塚には解らない。及びたいと思う気持ちも解らない。
不二は愛情表現だと言っているが。
もともとは、生殖のための行動だ。それが夫婦や恋人の愛情を確かめ合う手段になった、と言う流れは解らないでもない。
だが、それはあくまで異性同士の場合だ。
同性同士の自分たちが、しかも中学生の身で、こんな事をするなんて。
罪悪感で身もつままれそうになる。
とは言うものの、刺激されると正直なのが、男の生理だった。
「つ……っ!」
不二は手塚の足の間に陣取り、顔を股間に近づけて手塚のものを熱心に舌で丹念に愛撫していた。
「こう言うの、男同士の方が気持ちいいんだよ。何処がいいか解ってるから」
「く……」
「それに口って、女性器に似てるしね」
言い様、不二は根元まで手塚自身を飲み込んだ。唇を窄めながら顔を上下に動かす。生暖かい粘膜に全身を包まれる。舌が裏筋にそって這い上がり、口内に含まれて根元から吸われると、全身が大きく震えた。
「気持ちいい?」
上目遣いで微笑まれて、手塚は目を反らした。顔を合わせれば感じているのがバレそうだったからだ。
しかしそんな態度だけでも、不二にはお見通しだったのだが。実際、下半身の方は元気に勃ち上がり、先端から透明な雫を溢れさせ始めている。
「頼む……もう……」
これから、何をするのかは前回嫌と言うほど教えられた。後ろの穴を使うのだ。本来的な用途とは逆の方向で使用されるので体にかかる負担も大きい。痛いし気持ち悪いし次の日が辛いし、いい事など一つも無い。
だが、何よりも苦痛なのは精神面だった。最も恥ずかしい場所を他人に広げられるのだ。その屈辱感と羞恥心は死にたいほどだった。
「恐い?」
その場所にそっと指を触れさせながら、不二は優しく問い掛けた。だが、手塚は答えなかった。顔を両手で隠しながら、恥ずかしさに耐えるように目を閉じる。
「そうだよね、この前が酷すぎたもんね。でもここでも、ちゃんと感じるように出来てるんだ」
人差し指の腹で入り口を何回か押される。中に無理やり潜り込んでくるわけではないので痛みはないが、それ以上にそんな場所を指で触られているのが堪えがたかった。
何度もこの場所から逃げ出したくて体を揺すったが、ベッドが軋むだけで、何の解決にもならなかった。白いリボンは腕や足に食い込みはしなかったが、かなりの強度で自分を縛り付けていた。
不二は一端、体を起こすと、ベッドサイドに置いてあった小さな瓶を持ち出してきた。再び手塚の足の間に納まると、その瓶を手塚の目の前に突きつけた。何か液体が入っている。
「ちゃんとマッサージしてあげれば、よくなるからね」
わざと瓶のふたを高い位置で開けて、液体を右手の指に上から垂らした。粘性の強い透明な液体はゆっくりと重力にしたがって落ちて、不二の指に絡みついた。何滴かはぽたぽたと手塚の胸に落ちた。
その使用用途に思い当たった手塚は、激しく身体を揺すって抗議した。
「なっ……変な事は止めろ……!」
「変じゃないよ、ただのローションだよ。ほら、後ろって勝手に濡れないから、こうやって潤滑剤を使ってやらないと君が辛いんだよ?」
ローションに濡れた指を、不二はそっと手塚の後ろに触れさせた。
「……っ!」
液体のひんやりとした感触が背筋を駆け上がる。正直気持ち悪かった。
不二は指でゆっくりとローションを塗り込めていった。穴の付近を中心に、足の付け根や、ペニスから後ろの穴に至る間の部分まで。
そこを指で何度もなぞられると、初めての刺激に足ががくがくと強張った。直接触れるのではない、間接的なもどかしい刺激は、腰の奥のほうに何か重いものを感じさせた。
冷たかった液体は次第に自分の熱で温められ、気にならなくなっていく。だが、粘性のある液体を敏感な部分に広げられている気持ち悪さは否めなかった。
「嫌、だ……」
「嘘。感じてるくせに」
手塚の前は股間への微妙な刺激で、触られないままにその硬度を維持していた。足の付け根を強く押されると、先端をビクビクと震わせる。手塚は見ていられなくて固く目を閉じていたが、不二はその様子に満足げだった。
「……このまま一度イかせてあげてもいいけど、それだと不公平だもんね」
不二はそう言うと、再び顔を下げた。今度は前ではなく、後ろの穴を愛撫するために。クッションによってやや高く上げられている腰は、秘所をも空気中に曝け出していた。人に見せた事などないその場所を間近に見られていることを感じて、手塚は身体を揺らした。
「見るな……っこの馬鹿……っ!!」
「可愛いよ、手塚。ここも日に焼けてなくて綺麗だね」
「……!!」
「あれ、恥ずかしい? 赤くなってる……ここもね」
目を閉じる事は出来ても、耳を塞ぐ事は出来ない。不二の恥ずかしい言葉に、手塚は黙り込んだ。
「痛くないようにちゃんとマッサージしようね」
後腔の入り口に指が何本か触れる。穴の周囲をぐっぐっと揉むように押される。円を描くように周りを揉みしだかれる。恥ずかしさに必死に抵抗しようとするが、両手両足が動かないのだからどうしようもなかった。
「駄目だよ、緊張してちゃ。力を抜いて」
不二が溜息混じりに話すが、手塚は余計に身を強張らせた。
「や……喋るなっ……」
股間で何か話されると、空気の動きが過敏になっている内腿に感じられるのだ。そんな近くに顔があること、そして見られていることを意識するとたまらなくなる。
「もうちょっと塗らそうか」
ローションを手にとらずに、そのまま股間に垂らされる。熱くなりつつある身体に冷たい液体が掛けられて、思わず声が出そうになるが奥歯を噛んで我慢した。
ぐちょぐちょとローションの粘着質な音を立てながら、不二はマッサージを行う指を強くした。両手の親指で入り口の皺を伸ばすように広げられる。
「これぐらいかな……ああ、君は見えないよね。かなり赤くなってるよ。もう熱いでしょう、ここ。いい?」
不二の問いに、手塚は反射的に答えた。
「い……いわけが、あるか……!」
液体でドロドロにされた股間が気持ち悪い。揉みしだかれてそこはだいぶ熱を持っているが、気持ちいいわけではない。むしろ気分的には正反対だ。
不二は手塚の答えを聞くと、少し首を傾げた。
「……やっぱり、中に入れないと、良くならないのかな?」
ローションを再び手に取ると、自分の指にもう一度たっぷりと塗りつけた。先ほど自分がマッサージして解したその場所に指先を触れさせる。手塚がびくりと身を強張らせたのも気にせず、第一関節を肉の中に埋め込んだ。
「ひぃ……っ!」
痛みよりも嫌悪感で声を上げた。体内に潜り込んできた異物を追い出そうと、そこに思わず力を込めてしまう。先だけでも指が自分の中にあるのが解る。それが堪えがたかった。
不二は少し困ったような顔をした。
「痛いよ……手塚。ちゃんと力抜いて緩めて。じゃないと入らないよ?」
「嫌だっ……っ」
「大丈夫だよ、こんなに濡れてるから、ね……?」
内壁にもローションを塗りこめるように、指先だけを動かして入り口を中から広げられる。液体塗れの指は肉の壁に阻まれていてもスムーズに動いた。壁を外に押すようにしながら、ゆっくりと指が回っていく。
体の奥から、じわりじわりと熱が沸いてくる。指先一本動かすのすら億劫にするような、重い熱が。
「んっ……」
手塚が気を抜いた一瞬を見計らって、不二の指が更に奥に進んだ。それを感じて、手塚は顎を仰け反らせた。
異物感で吐き気がしたが、言葉にすることは出来なかった。何か言おうとする前に先ほどと同じように中から壁を押されて、思考回路が麻痺しかけていたからだ。
「……一本目、大丈夫かな? 痛くない?」
「っ……」
手塚の答えを聞かずに、不二は指を動かしつづけた。中でゆっくりと関節を折り曲げたり、軽く指を抜き差ししながら、内側のどこかを探しているようだった。
「この辺りに……あ」
「……んっ!!」
不二の指がある部分に触れた瞬間、手塚の体が大きく跳ねた。自分のものとは思えないような高い声が口から漏れる。
何だ今のは。
「ああ、あったあった」
不二は弾んだ声でそう言った。面白い玩具を見つけたように、中にある指の腹でこりこりとした部分を何度も押す。そのたびに手塚の全身は雷に打たれたようにびくびくと大きく震えた。爪先から頭のてっぺんまで、体中を快感が貫いていく。声を抑えようと手を口の近くに持っていくが、束ねられた腕では口を覆うことは出来なかった。歯を食いしばって必死に耐えても隙間から声が漏れる。
「や……っやめっ……ふぁッ!」
「ここにね、前立腺があるんだ。触ると気持ちいいでしょう? ……男の人でも、ここを触られたらちゃんと感じるようになってるんだよ」
「!!」
「うんとよくしてあげるから、ね」
手塚には初耳だった。というか不二がそんなこと知ってるほうが驚きだ。何故、という疑問が脳裏によぎるが、絶え間ない刺激にまともな思考はすぐに出来なくなった。
中から官能を高められる。そのたびに、目の前がちかちかと白く光るようだった。
「ほら、前も元気になってるし……」
ずっと触られずにほっておかれた手塚自身も、鈴口から透明な液体を溢れさせながらぶるぶると震えていた。今にも達しそうだ。
「……このまま、後ろだけでイけるかもね」
「いやだ……っ! こんな、嫌だ……っ!」
初めて味わう類の快感に、手塚はなりふり構わず叫んだ。快楽を感じている様を見せまいと顔を隠す。だが、肝心の股間は不二の眼前にある。足を閉じようとしても無駄だ。後ろを弄られて感じている様子を隠す事は出来ない。
「く……ッ」
羞恥に耐える手塚の様子を見上げながら、不二は優しく微笑んだ。
「でも、今日はしてあげる」
再び、怒張しているものを口に含まれた。中にある指はそのままだ。溢れる液体を舌で舐めとると、それを全体に擦り付けるように亀頭の後ろに舌を這わせる。
二点を同時に責められると、どっちで感じているのか解らなくなった。
前立腺を突くように指を抜き差しされる。一度突かれるごとにどんどん意識が遠くなる。腰をわずかに浮かして絶頂の瞬間を待つ。
指先が強く内部を突くと同時に、先端を舌で思いっきり吸い上げられた。
「……あー……!」
精を放出しながら、手塚の意識は、闇の中へと落ちていった。
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次に気がついた時、これは全て夢であればと思ったのだが。
そうは問屋が卸さなかった。
始めてから、どれだけたったのだろうか。
「かかっちゃったよ、手塚の、顔に」
批難がましい不二の声にふっと目を開けると、上目遣いに股間から自分を見ている不二と視線が合った。
上気した頬にべたりと白いものが付着している。つい先ほど、自分が出したものだと気付いて顔を赤らめた。不二は頬に付いた精液を指で拭うと、手塚に見せつけるように赤い舌を出してそれをペロリと舐めた。
居た堪れなくなって、再び目をそらした。
最初の射精で意識を飛ばしてから、だいぶ時間は経っているようだった。もっとも、時計がないので確認する事は出来ないが。長い間同じ体勢でいるので体が痛い。クッションを下に引いてあるとはいえ、同じ部分にばかり体重がかかっているので腰がかなり痛い。無理やり開かされている股間も、拘束されている手足も。
だが、体全体が気だるいのは、ただの疲労によるものではなかった。
前はもう何回目かの射精をさせられて、だいぶ白い液体が飛び散り汚れている。だが、嬲られつづけているうちに前立腺だけでなく内部全体が触られると感じるようになっていて、未だに萎える気配はない。
汗と精液、ローションで濡れた股間が気持ち悪かったが、不二は全く気にしていないようだった。
「今、指、何本入ってると思う?」
問い掛けと同時に大きく回転させられて、圧迫感に喉が詰まる。
「……うっ……」
「答えられない? 三本入ってるんだ。でも痛くないよね、こんなに柔らかくなってるんだから」
痛みを覚える以前に、すでにそこの感覚が麻痺しているような感じだった。解された肉は充血しているのだろうか、熱く痺れている。感覚を確かめるために力を込めると中にある指が感じられた。
「ん……っ!」
「感じてる? ぎゅっと締め付けてるけど」
「! ち……が……」
「指が三本入ると大丈夫だって言うけど。もういいかな? 痛くない?」
「ひぁ……!」
慣らすように何度か捻られても、熱さを感じるだけで痛みはなかった。
「良さそうだね」
液体の滴る指が引き抜かれると、ローションが糸を引いた。その様子を不二はじっと見詰めていた。ずっと指によって蹂躙されていた場所は、入り口を濡らしながらぴくぴくと震えている。まだ弛緩した状態のままわずかに開いていて、そこから内部の赤い肉壁が覗いていた。
不二は上半身を起こすと、手塚に顔を寄せた。涙と汗と唾液でぐちゃぐちゃになっている顔を見られたくなかったが、不二の右手が横を向こうとするのを阻んだ。腕もまとめて横にどけられた。
濡れた顔全体にキスを繰り返している。せめて目は開けまいと、ぎゅっと瞼を閉じる。
「目、開けてよ。手塚」
その願いに答えないでいると、今度は唇同士を重ねられた。やけに青臭くて生々しい味がするのは、先ほどの自分の精液のせいだと気がついた。不二の口内に残っていたそれを口移しで飲み込まされる。
「はっ……」
口を離されたとたん、咳こんで精液を吐き出した。
「自分で出したものなのに……」
「あ……当たり前だ……」
そんなもの、口にしたくもない。
だが不二は、そんな様子の手塚を見ながら、やはり笑い続けていた。首に手を回して抱き付きながら問いかけてくる。不二は服を着たままだったが、汚れるのは気にしていないようだった。
「……気持ちよかった?」
「………………」
「よかったよね、だってこんなにイってるもんね」
手塚は何も答えなかった。否定も肯定もしなかった。……正直、何がなんだかわからなかった、というのが一番の感想なのだが。
だが、少しずつ意識が戻ってくるにつれて、自分のやっていることの異様さに再び惨めな気分になりつつあった。
答えないでいると、不二は続けて質問をした。
「それとも……気持ちよくなってもやっぱり嫌? こういうことされるの」
「…………」
それはそのとおりだ。
と言いたかった。両手両足の自由を奪われて恥部を無理やりこじ開けられて、何度も射精させられて。それで『気持ちよかった』なんて答えたらただの変態じゃないか。冷静に考えてそう思うのだが。
だが、はっきりと否定することは出来なかった。
だから沈黙を守った。
拉致監禁の上強姦なんて、ただの犯罪で、自分はその被害者のはずなのだが。
どういう訳か、自分は不二を責めることが出来なかった。
一度こういうことを許してしまった時点で、もう、答えは出ていたのかもしれない。
手塚は不意に、唯一自由に動かせる顔を、不二の肩に擦り付けた。
不二はしばらく、同じ体勢のまま呆然としていたようだったが、やがておもむろに口を開いた。
「いいの?」
腕の力を強くしながら、ためらいがちに尋ねてくる。……今更あれだけ嬲っておいて何を聞いているのか。
「……そう、したいんだろう……?」
喉の奥から搾り出すようなかすれた声で、手塚はそう呟いた。
身体は痛いし股間はドロドロで気持ち悪い。足を広げるのも舐められるのも指を入れられるのも恥ずかしくてたまらないのだが。
それでも、それがお前の望みだったら。
答えを聞いている不二の指は震えていた。
「……入れていいの? 本当に? 手塚の穴の中に入れるんだよ、僕のを……」
「……いちいち……言うな……」
それだけは頼むから止めて欲しい、と手塚は重い頭でそう思っていた。
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両足を拘束していたリボンと、腕をベッドサイドに繋ぎとめていたリボンは外された。両腕を縛り付けるものはそのままだ。全身をぐるりと反転させられ、四つん這いにさせられる。不二はやはり、両足の間に入り込んだ。
何をされるのかに恐怖心はあるが、もう抵抗する気力はなかった。
「まだ大丈夫だと思うけど。もう一回、ローション、塗っておこうか」
長い時間をかけて解されていた穴は、不二の指を二本、簡単に受け入れた。
「この体勢、よく見えるね……」
「い、……言うなっ……」
三本に増えても抜き差しはスムーズだった。内壁を擦られるたびにじくじくと痺れるように疼く。わざと前立腺をずらして潤いを与えているのか、直接触られることはなかった。だが、不二の指がその部分をかすめるたびに全身が反応を返してしまう。肘をついた状態になっていたが、腕の力が抜けて、思わず顔からベッドの上に倒れこんだ。腰を突き上げて不二の前にさらす体勢になる。
不二は一度指を抜くと、ズボンのチャックを開いた。分身を取り出して軽く扱き、念のためにローションをたらす。透明な液体をまとった肉棒は薄明かりのもとでてかっていて、その存在感を示していた。
手塚の腰を両手で支えながら、濡れた先端を入り口に押し当てた。腰を動かして先端と入り口付近を擦り合わされると、ぐちゅりと液体の音がした。
その感覚に思わず腰が引いた。だが、逃げようとしても不二の手で動きは封じられている。
「入れるよ」
その宣言と共に、不二は下半身をゆっくりと進めた。
「んッ……!!」
亀頭が狭い肉の穴を抉じ開けながら入ってくる。ローションのおかげか痛みはほとんどない。だが、どうしようもない圧迫感に息が出来なくなる。
「あ……くあぁっ!」
「力……抜いてね。息ちゃんと、吐いて……」
「んッ……は……」
不二の声は落ち着いていて、それで荒い息をなんとか静める事が出来た。言われたとおりに息を吐くと、太い部分がさらにぐっと奥に入ってくる。
「!!」
「大丈夫、もう、太いとこは入ったから……」
何度かその状態で腰を回すようにされると、確かに、自分の内部に何かが入っていることが解った。どろどろになっている内壁が不二自身を包み込んでいる。
「ひぃ……ッ!」
「もっと……進むからね」
さらに不二は身体を前に突き出した。焦らず、だが確実に奥まで入っていく。
進むスピードがゆっくりなので、手塚にはどこまで不二が入っているかぼんやりと感じられた。先端が触れたことのない奥にまで達していく。
内臓に感じる鈍い衝撃に、空きっぱなしの口から大きな息が漏れた。
「……はぁッ……あッ……」
「もう少し……我慢してね……」
「!!」
不二の腰骨が手塚の臀部に触れた。肌と肌とがぴったりと密着している。ぎりぎりまで不二のものを受け入れた、ということだ。
「……痛くない?」
「んんッ……」
痛みよりも、内臓に感じる圧迫感に吐き気がした。気持ちいとも気持ち悪いとも、なんとも形容できない感覚でまともな声が出せない。唾液が口から溢れるのにも構わず、激しく息をつく。
不意に不二の腰が後ろへと引かれた。動こうとしているらしい。だが、中の粘膜がぐっと引き攣られて、悲鳴じみた声を上げた。思わずぐっと出て行かないように締め付けた。
「あうっ……」
「……動くと、痛い?」
少しだけ首を縦に振った。無理やり広げられた入り口や、擦り上げられる内部の粘膜にも痛みを感じる。
「……じゃ、前、触ってあげるね」
不二はもう一度、ゆっくりと自身を内部まで進め終わると、腰にやっていた手を前にまわした。今日何度も精を放ったはずの手塚のペニスは、後ろへの刺激で再度大きくなり始めていた。それを不二は両手で扱きながら高め上げていった。
「あ……ッ!」
幾分荒い動きによって、一気にギリギリまで高められる。不二はその間、内部ではほとんど動かなかった。だが、前を反応させられるたび、内壁が自然にぎゅっと閉まって、中にあるものを刺激した。
小刻みに震えるカリの部分を親指と人差し指の腹でつままれると、それが最後だった。
「……っう!!」
手塚がひときわ大きく全身を震わせる。
今日何度目になるのか、もう覚えていないが、不二の手の中に白い液体が散った。
「ん……!」
不二もその刺激でぎゅっと締め付けられて、手塚の内部に熱い精を吐き出した。
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「気持ちよかった?」
紅茶を手に、片手で頬杖を付きながら不二が問う。顔を赤らめて尋ねているが、先ほどまで犯罪行為をおかしていた人間のする顔とは思えない。
あの後なんとか両手も解放された。お風呂場にいって全身を清めて、ベッドのシーツも綺麗なものにして、さっぱりしたところでキッチンで腹ごしらえをしているのだった。目の前にあるのは、諸悪の根源となったアップルパイだった。先ほど食べ損ねたものだ。訝しげな顔をする手塚に、こっちは睡眠薬も何も入れてないと不二が必死で主張する。とりあえず信じてやることにした。
……まあ、今更、どうにでもなれと思ったことも事実である。
「ねえ、気持ちよかった?」
答えない手塚に業を煮やしたのか、不二は同じ質問を繰り返した。
憮然としながら、手塚は答えた。
「……良かったのは、お前だけじゃないのか」
皮肉げな口調に、不二は眉を下げた。
「……良くなかった? がんばったんだけど……いろいろ調べて……」
「………………」
そのエネルギーを別のものに使ってほしいと心底思う手塚だった。
「じゃあ、来年は、君の好きなようにしてあげるからさ……」
「……どういう意味だ」
「言葉どおりだよ」
「…………」
怪しみながらも、とりあえず目の前にあるパイを一口、口に運ぶ。歯ごたえのある林檎の甘酸っぱさが疲れた身体に程よく美味しかった。
「……お前が作ったのか、これ」
いきなりパイの話になったので、不二は少し驚いたようだった。
「え、うん……姉さんとかに、コツ教わって……。ほら、去年の君の誕生日に思ったんだけど、手作りケーキっていいかな〜って」
もともと、手塚は渋い見た目に反して甘党の部分がある。甘いものは、決して、嫌いではない。
「……ケーキは、まあ確かに美味い。礼を言う」
「え?」
突然の手塚の言葉に、不二は目を丸くした。何のことを言われたか解らないようだった。
「ありがとう」
手塚は微かに笑ってそう言った。
……誕生日を祝ってくれようという心そのものは、感謝しているのだ。
その方法に問題があったのも間違いないのだが。
「あ、うん……どういたしまして」
不二は照れくさそうに微笑んだ。
「やだな、ちょっと……お礼なんて言われると思ってなかった……」
言われるようなことじゃないと自分でも思っていたのだろうか。
「今の顔、反則だよ……もう……」
不二は片手で顔を抑えると、手塚から目を反らすように横を向いた。本気で照れているらしい。
うろたえる天才という貴重な瞬間を見れたことこそが、今回の一番の誕生日プレゼントだったな、と手塚は心の中でだけ思った。
……お粗末さまでした。
とりあえず不二塚エロで長編、という目標は達したよ……穴ばっかり弄ってた気はするけど……
ア●ル拡張プラグとか使おうかと思ったんですが、最初から道具に頼るよーな天才様じゃないなー、と。
直腸洗浄もしてやろうかと思ったんですが、二回目でスカトロは可哀想だよね……と。
お楽しみはこれからだー(不二の)。
……でもやっぱり前の監禁物と被っちゃったよ。リボン使ったり体勢変えたり工夫はしたんだけど。
そんな訳で、手塚の誕生日おめでとう企画でした。
一年時の手塚の誕生日は100のお題の「48.生クリーム」見てください。変なリンクしててすみません……。
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