All's fair in love and war. おまけ

「って感じだったんですけど……」

 青春台駅前のドーナツショップにて、不二はうっとりとした様子で自分の話を終えた。
 目の前に座っていた大和は、思わず口にしていた砂糖たっぷりのコーヒーを吐きそうになっていた。
 駅前の大型書店で鉢合わせて、立ち話もなんだしと向かいのこの店に入った。そこでなんとなしに不二の今年のバレンタインの話を聞くことになった。
 手塚とのバレンタインの顛末は、それほど甘い話だった。

「あの日の手塚も可愛かったなあ……」

 まだ不二は余韻が残っているのか、うっとりと幸せそうに虚空を眺めていた。

「セーター一枚ですか……またそんな……」

 大和はそこまで言いかけて、言葉を止めるようにコーヒーを啜った。
 自分ならそんな子が部屋にいたら物凄く嬉しいが。
 しかし。

「で、でも……手塚君、そういうの、怒ったでしょう……?」

 純情で潔癖で清純で無垢で……まあそんな単語を羅列したくなるような手塚に、セーター一枚なんて格好で迫っても、普通は一瞥されて終わりだろう。
 だが、不二の惚気はまだ終わらなかった。

「ええもう、凄く怒られました……住居不法侵入もしてますしね……」
「でしょうねえ……」
「でも、もう手塚が僕の顔見たときのその時の反応が楽しくて楽しくて……すごい嫌がってくれるのが嬉しくて……」
「………………」

 不二は心底楽しそうだった。

 それを見て大和の口から溜息が漏れた。

 「僕達、結局似た者同士、なんですねえ」とか。

 「二年間でよくここまで成長しましたねえ」とか。

 いろいろと心の底から思うことはあったが、口に出して言うと不機嫌にさせそうなので止めておいた。


……えーとまあ、似た者同士って言うか
大和にさんざんそっち系の才能を開発された不二なんですが
本人は自分のやってることが大和と同レベルだって気付いてない、っていうか。
……説明いるようなオチつけるな、って気もしますが……まあこんな感じです……。

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